hinako

なんでもあり

感情

失恋の時の悲しみは、心にぽっかりと穴が開て、

それの傷跡が痛いのか、それを埋めようと心が収縮しているのか、

痛くて、辛くて、言葉にできない。

痛みは、愛が大きいほど痛さを増して、

一生分の涙を流す。

2ヶ月間、泣いても泣いても終わらない辛さが、毎日毎晩襲った。

 

ふと振り返ると5ヶ月目。

なんだか泣くことに満足する。

だってこんな感情、次の恋愛に感じられるかわからない。

次がハッピーエンドに終われば、

失恋に涙した感情、失恋の悲しさは一生味わうことができない。

 

短い人生に、失恋という歴史を刻んだことに、

私は少し満足する。

失恋は、人間としての一つのイベントではないだろうか。

他人から与えられることも、共有することもできない感情。

その感情の一つを私は手に入れる。

 

次があるかわからない失恋の悲しみ。

人生の一場面を描く失恋の悲しみ。

単なる「悲しみ」では言い表せない感情を、

精一杯感じて、そのために大げさなほど泣き、

気が済むほど泣いたら、この感情を味わいつくしたことに私は満足する。