hinako

なんでもあり

共有

私たちは、今、楽しさを共有することが出来る。 笑いあっている。幸せを感じている。 だけど、私は彼に辛さや悲しさを共有することはできない。 だって、人生で最も辛く悲しかったあの時、彼は私のそばにいなかった。 私が彼を想って泣いたあの1年の間、彼は…

過去

高校3年生から4年半付き合った彼と別れた。 彼は別れた3か月後に新しい彼女を作った。 別れた後も会っていたのに、他に好きな人がいるなんて気づきもしなかった。 自分自身の気持ちで精いっぱいだったから。 どんなことがあっても、彼は私から離れないって、…

暗くて狭い所は、不安な気持ちになる。 悪い想像力を掻き立てたり、ネガティブな考えに導いたり。 でも、一人暮らしの夜は暗くて、一人暮らしの部屋は狭い。 ぼーっとベッドに入っていると、いろんなことが不安になって、 不安で自分がバラバラになって、ぽ…

創ること

特に趣味はないけれど、強いて言えば映画鑑賞や読書。 映画も本も、時々の気分で見終わった後の感想が変わる。 「いい話だった」で終わるときもあるし、 ドンピシャりな作品に出合えば共感と教訓が得られ、 勇気があふれ、前向きな気持ちになる。 失恋したと…

3つの天国

「天国」について、明確でなくてもなんとなくイメージをしたことはあった。 子どもの頃は、「人を殺したら地獄に、悪いことをしなかったら天国に行ける」 なんて教えられたり、「天国にはご先祖様がいる」と言われたり 「天国」の明確な概念は知らなくとも、…

人形

深い森の中。 細い小道から少し外れた木の幹に、人形は座っていた。 足を放り出し、かろうじて上に伸びた背骨の上に、今にも落ちそうな頭がだらんと垂れさがり、手のひらを空に向けて肩を落とした人形。 人形はずーっと何年も誰にも気づかれずにそこに座って…

感情

失恋の時の悲しみは、心にぽっかりと穴が開て、 それの傷跡が痛いのか、それを埋めようと心が収縮しているのか、 痛くて、辛くて、言葉にできない。 痛みは、愛が大きいほど痛さを増して、 一生分の涙を流す。 2ヶ月間、泣いても泣いても終わらない辛さが、…

新年

2022年になって早くも半年。6ヶ月。 2022年の1月。2021年と同じ空を見上げた。 空の色が変わればいいのに。と、私は思った。 年が明けたという実感がなかった。 今年は赤色、来年は黄色。 そんな風に、毎年空の色が変わってくれれば、「ああ、2022年になった…